蹲踞(つくばい)

 三島由紀夫の小説、豊饒の海(四)『天人五衰』を読んでいると、「蹲踞」という語句に遭遇。蹲踞といえば、ふつうは剣道で立ち会う前に腰を落とす動作(そんきょ)を指すと思うが、この場合は「つくばい」とルビがふってある。コトバンクによれば「茶室の露地に低く置かれた石製の手水鉢。茶客が入席する前にここで手を清めるが、そのとき体を低くしてつくばうのでこの名が生まれた。」とのこと。これは新知識だった。
ちなみに小説では

「蹲踞のそばの百日紅が伐られてから、これという花の木もなくて、涸山水というほどでもない石組みのあいだから雑草が茂り、これを囲む雑草の葉漏れの光点も、のこらず黒眼鏡の裡に映じている」

という表現になる。そういえば去年行った湯河原美術館の庭園に、まさしく蹲踞があったなと思い出した。紅葉がきれいで写真を何枚か撮ったので、画像があったはずだ。HDDを探すと果たして出てきた。

早咲きの彼岸花

 もうすぐ秋彼岸。彼岸の入りが9月20日で、中日が23日にあたり秋分の日でもある。お彼岸より1週間も早く、フライング気味に咲いた彼岸花を見つけた。何で撮るか、散々迷った末にE-1を持ち出してみた。10年以上も前の機種だが、オリンパス初のDSLRとして愛着がある。レンズはZD12-60ミリとテレコンEC-14で。シロバナヒガンバナと赤いのとそれぞれ撮ってみた。

新宿の目

新宿西口にある有名スポット。スバルビルの地下にある。ここを通ると、つい見とれてしまう。1969年に設置された。彫刻家の宮下芳子さんの手によるものだという。

硝子ごしのアジサイ

 都内某所で見つけた紫陽花。建物の内部から見ると、ちょっと歪んだ効果がある上に井戸の底を覗いたような気もしてくる。さらにフレームに収まった感じが面白くて、許可を得て撮らせてもらった。iPhoneの画像データをDropbox経由で吸い上げ、Photoshopで補正してみた。

夜桜と月

 東京の桜は満開。華やかに咲き誇ってはいても、儚く散る運命を思えば精一杯楽しみたい。そして夜、古木の桜を見上げていると花弁の先に月が浮かんでいた。E-M1 MKⅡと40-150を持ち出して撮影。多重露光でもうまく輝度が合わなかったのでPhotoshopで合成してみた。